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- オリンピアンインタビュー
- 第24回 村田諒太さん
【メダルのかかった大一番】
聞き手:ロンドンオリンピックでのメダルを賭けた準々決勝の相手は、かなり有名な選手だったのですよね。
村田:ヨーロッパチャンピオンで、世界選手権でも銅メダル、ヨーロッパでもいつも優勝や準優勝をするうまい選手でした。僕の先輩が2007年の世界選手権でワンパンチで倒された選手だったので、その仇討っていう気持ちもちょっとありました。
聞き手:特徴はこぶしが固くて重たいという、嫌な選手でしたか。
村田:この選手は本当にパンチが固いんですよね。打ち方の問題なのかどうか…。
聞き手:前に前に出るというのは、作戦でしたか。
村田:この選手が戦ってきた2試合を見て研究しましたね。
聞き手:ゲームプランは、少し長引けばチャンスがあるという考えでしたか?
村田:そうですね、1ラウンドは2ポイント差まではリードされても大丈夫と考えていましたけれど、結果1ポイント差だったので僕にとってはラッキーだったというか、想定よりよかったです。
聞き手:村田選手の試合はすべて逆転勝ちとかギリギリの勝負で、金メダルを獲った試合だけ賞賛されていますが、本当にどちらに転ぶかわからないような試合を逆転で勝ってきたのですよね。
村田:準々決勝の1ラウンドは取られただろうとは思いましたが、差をできるだけ小さくしようというラウンドだったので、後半に向けて、やってやろうというつもりでした。
聞き手:インターバルのときというのは、セコンドからアドバイスされることは耳に入っているものですか。それとも頭が真っ白になっているものですか。
村田:いや、ちゃんとプランを立てますよ。どういったことに気を付けないといけないかとか、考えています。
聞き手:この日は、体が軽いとか調子がいいとか、コンディションはどんな感じだったのですか。
村田:既に1試合戦っていましたから、2試合目のほうがリングや試合の感覚はつかめているので、調子は悪くはなかったのですが、あとから試合を見たらやはり固くなっていましたね、あまり手が出ていなかったですし。準決勝の試合のほうが気持ちが軽くて、手が出ていましたね。準々決勝の相手は動き回るうえに、動きが速いので、見てしまうんですね。変に手を出すとカウンターパンチが飛んでくるので。だから、しっかり詰めてからでないと手を出せないんですよ。
聞き手:第2ラウンドはかなり、取ったという印象はあったんですか。
村田:同点くらいになったかなと思ったんですが、このラウンド自体が同点で、トータルスコアを同点にしておきたかったので少し焦りましたね。
聞き手:村田選手は普段は冷静な感じですが、準々決勝で勝ったときには吠えていました。やはりあの時は、感きわまることがあったんですか。
村田:そうですね、最低限のラインまできたと思ったので…ほっとしたというほうが大きいですけどね。でもあれはよくないですね。亡くなった高校の武元監督がいたら、ああいうことをしたら怒りますね。変なことしなくていいよ、格好悪い、と怒られます。