選手インタビュー

竹下百合子さんインタビュー

竹下百合子さん 竹下百合子さん カヌー・スラローム 2008年北京

【北京での活躍で整備され始めた環境】

元川:悪天候の中でも試合はやるのですね。

竹下:やります。北京の時は雷で決勝が翌日に延期になりました。雨ぐらいだとやりますが、風が強すぎてゲートが揺れてしまったり、あまりに増水すると延期になったり。去年の世界選手権も増水したから、本当は4日間ぐらいでやる試合を2日間ぐらいでやったり。時々水量が増えすぎて中止もあります。北京の時は私が1番スタートだったのですが、スタート台に行こうとしたら雷が近くに落ちて延期になったのです。その時はコーチが帰ってしまったんですよ。本当は試合が終わった翌日に帰る予定だったんですが…。

元川:ではコーチなしでオリンピック本大会の決勝戦を?普通あり得ないですね。

竹下:でもそのコース自体については、前の日にアドバイスはもらっていたので。

元川:面白いですね、オリンピックでコーチが帰ってしまったなんて、あまりないでしょう。

竹下:でも、それまでもコーチがいたわけではないし、そういう環境でやっていなかったので、そんなに焦りはなかったです。

元川:でも、去年の世界選手権から今のコーチがいるわけですよね。ほかの国の人と比べて、やっとまともな感じになってきたと思いますか。

竹下:そうですね。各国には4人ぐらいコーチがいますから。

元川:コーチが入って何か変わりましたか。

竹下:練習から見られているという意識とか、あとは自分では気付けないことも多くて、意識しなければいけないところなどは言ってくれるので、だいぶ変わってきました。

元川:いろいろとメディア、雑誌やテレビにも出るようになりましたよね。

竹下:オリンピックの時は出ましたね。今もそんなに慣れていないのですが、テレビは緊張します。

元川:より多くの人に知ってもらえますよね。

竹下:それはすごくよかったです。今もそんなに知られているわけではないですが、オリンピックがきっかけで結構知ってもらえたという感じです。

元川:多分、競技年齢は長くまでできるとは思うのですが、現段階で将来展望みたいなものはありますか。

竹下:今はあまり考えていないです、ロンドンのことしか。その後はまたそれでという感じです。

元川:カヌー以外にやってみたいことはあるのですか。

竹下:まだそういうものはあまり考えたことはないです。ただ今は結果を出すことが仕事というか、とりあえず今はロンドンに集中しています。

元川:お話を聞いていると、出ること自体も簡単ではないですよね。前回4位だからといってシード権があるわけではなくて、そこが難しいところですね。

竹下:はい。

元川:カヌーの魅力として、いろいろな年代の人と一緒に練習できるのが楽しいと話していたことがあるようですが。

竹下:そうですね。小さい子供から年配の方まで、その人に合った楽しみ方ができるので。ここにはカヌー教室もありますよ。

元川:そういう窓口が少しでもあれば、カヌーをやる人も増える気がします。

竹下:競技人口はあまり増えていないのですが、最近は徐々に、カヌーをレジャーとして楽しむ人は増えています。

元川:そうすればもう少し競技人口も増えて、みんなの関心も高まれば環境も良くなるかもしれないですね。

竹下:そういうものにも少しずつ協力していきたいとは思っています。

元川:指導者も興味がありますか。

竹下:教えることは嫌いではないので、いずれは…それを仕事にするわけではないのですが、小さい子とかに教えていきたいとは思います。でも、今は教えられる実力がないので。自分の実力がないと教えられないというか、まだ分からないことがありすぎてどう教えていいか分からないというのがあります。

元川:自分の中でカヌー観がまとまっていないのですか。

竹下:まだですね。うまく言葉にできていないので。

元川:なるほど…とても興味深いお話しを、ありがとうございました。

~竹下百合子さん インタビュー 完~
(インタビュアー:スポーツライター 元川悦子)
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ゲストプロフィール

竹下百合子さん
竹下 百合子(たけした ゆりこ)
1988年11月23日東京都生まれ。地元・青梅市で小学校2年生の時にカヌーを始め、2005年に初めて日本カヌースラローム選手権で優勝。自身初のオリンピック出場となった北京大会で、女子カヤックシングル4位入賞という日本史上最高記録となる順位を記録した。
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