選手インタビュー

福井英郎さんインタビュー

福井英郎さん 福井英郎さん トライアスロン 2000年シドニー

【世界の舞台でオリンピック意識】

安藤:オリンピックに出たいというのは競技を始められた当初からの目標だというお話がありましたが、それを実際に「出れるかもしれないな」と意識するようになったのはいつぐらいからですか。

福井:意識するようになったのは、世界の大会に出始めたときでしょうか。トライアスロンはポイント制になっていて、海外のいわゆるワールドカップのポイントで国に出場枠が与えられて、その中で代表選手を日本で選考して出場という形だったので、自分でそのポイントを取りにいくという、世界を回り始めたときです。そのときに、ここで自分が頑張っていくことによってオリンピックが少しずつ近づいてくるのだなと意識し始めました。

安藤:日本国内の代表選考はどのように行われるのですか。

福井:一発勝負です。ただ、国として最大3枠取れるんです。シドニーのときは男子3枠が取れたので、2枠はワールドカップなどでいい結果を残してポイントを取ってきた選手たちで選考する。残り1枠は、直前のいわゆる日本選手権とか国内選手全員が集まるような一番レベルの高い大会で1番になった選手を連れていこうという、当時はそういう選考でした。

安藤:実際に夢であったオリンピックに出場されることが決まって、目標や、どういうレースをしたいなということはありましたか?

福井:オリンピックのスタート台に立ったときは「ついに来たか、このステージが」という感じでしたが、もう本当に当時は必死でしたから、自分がどこまでいけるのか、どこまでやれるのかということしかなかったですね。何をどうしよう、ここはこうしようとか展開とか作戦とかそんなものは何もなくて、自分のある力を全部発揮して、走り切ろうという気持ちしかなかった。
さっき言った、オリンピックというものが自分の中で元気の源になっているというか、自信とか誇りになっていると感じ始めたのは、本当に最近なのです。それまで僕にとってオリンピックというのは、変な言い方ですが雑念というか、「オリンピック選手、オリンピック選手」とちやほやされるだけで、「別に大したことないのにな」みたいな感じでしかなかったし、あまり口に出したくなかったのです。でも、若い選手たちと一緒にレースをして、そういう子たちからの本気なまなざしを受けることによって、やはり自分はオリンピック選手であって、目標にされているのかなと感じるようになってきて、本当にごく最近「すごくオリンピックに出てよかったな」と振り返れるようになってきています。
今はトヨタ車体に所属していて、肩書としてはコーチ兼選手です。男子ではもう一人、北京オリンピックに出て、今ロンドンオリンピックも目指している山本良介という選手がいて、彼と二人三脚の形でずっとトレーニングをやっています。オリンピックに出る選手の気持ちだったり姿勢だったり、そういうものを共感できるというか、何かあったときにフォローしてあげられるということで、同じ目線で同じ立場としてものを考えられたり、引っ張っていってあげられているので、コーチという立場で教えることによっても、オリンピック選手だったということが自分の中で大きくなってきています。

安藤:ご自身の活動としては、コーチ業のほかに、レースにも参加されているのですか。

福井:もちろん教えながらトレーニングをしているので、引っ張れるところ、手伝えるところは一緒に練習しながら、できないところはコーチと選手としてケツをたたいてあげてみたいな感じでやっています。彼を後押しできたり、彼の調子を見たりという形でレースに出ることがありますが、自分もオリンピック選手であって下手なレースはできないというプライドもあります。だから、そういう部分で自分のケツをたたくというような気持ちでやっているつもりではいます。
現在、年間では10レースにいくかいかないかぐらいの大会に出場しています。選手の大会に、一緒にコーチとして行く場合もあります。

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