選手インタビュー

大澤明美さん 大澤明美さん カーリング 1998年長野

【誰でもできるカーリングの魅力】

五味:今の大澤さんが考えるカーリングの魅力というのは、一言で難しいかもしれませんが、やったことがない人間に伝えるとしたら何ですか。

大澤:とにかく一番の魅力は、少し練習すれば誰でも試合できる程度のスキルを身に付けられるので、すごく気軽に楽しめることですね。といっても、施設があまりないので、実際は気軽にできないのがすごく残念なんですが……。コツを掴むのが早い人なら、1、2時間も練習すれば普通に試合ができたりします。それからカーリングは冬の競技では珍しいチーム同士の対戦競技なので、相手との「駆け引き」も魅力の一つです。守備的に戦うか、攻撃的に戦うか、相手のミスを誘うか、シンプルにやるか、一気に大量得点を狙うか……、そういうことを1投1投考えながら試合をするわけです。だからただ指示通りに投げればいいわけじゃなくて、本当に4人で力を合わせないと試合には勝てないというところが、私はカーリングの醍醐味だと思っています。

五味:海外だと、観るのも楽しくて会場に多くの人が来るようですね。

大澤:海外のカーリング専用施設は2階がバーになっているところが少なくないので、そういう所ではみんなビール片手に観戦しています。この作戦はああだとか、あの選手はこうだとか話ながら(笑)。今、日本にはカーリング専用の施設が10カ所あるんですけど、さすがにバーがあってお酒を飲める施設はまだありません(笑)。

五味:東京都では神宮や江戸川のスケートリンクでやっているのですか。

大澤:神宮と江戸川、それから東大和でやっています。専用施設ではないんですが、逆にだからこそオールシーズン使えるというメリットもあって、現在は月に2回程度、練習会を開いています。10月くらいになると専用施設がオープンするので、そこからは軽井沢でのリーグ戦が始まります。東京からちょっと遠いのでもう少し近くに専用の施設があるといいんですが、やっぱり冬の競技の専用施設を首都圏に作るのはなかなか難しいですね。

五味:やはりたくさんの人にやっていただきたいという気持ちはありますよね。

大澤:もちろんです(笑)。本当に皆さんが思っている以上にカーリングって簡単なんですよ。施設さえあれば、家族でボウリングに行くような感覚でできるスポーツなので、もっと誰もがライト感覚で楽しめる仕組みや環境を作っていけたらいいですね。

五味:オリンピックで話題になって、人気が出そうにもなるんですが…。

大澤:観戦者はすごく増えましたね。私の頃は日本選手権でも地元の人と出場チームの応援団くらいだったんですが、今では一般のお客さんも、それこそ関東や関西から青森や北海道まで観に来てくれる方もたくさんいて、本当に嬉しい限りです。競技人口は爆発的に増えているということはありませんが、着実に増えています。個人的には一過性のブームになるよりも、今のペースで着実にカーリングというスポーツが日本に根付いて、そして広がっていってくれればと思っています。

五味:これからもカーリングの普及のために頑張ってください。ありがとうございました。

~大澤明美さん インタビュー 完~
(インタビュアー:五味亜矢子(体育施設出版)
>>インタビュー写真集

ゲストプロフィール

大澤明美さん
大澤 明美(旧姓・丹羽)(おおさわ あけみ)
1973年3月24日生まれ。河西建設所属時、長野オリンピック(5位)および 5回の世界選手権に出場。
現在は東京都カーリング協会に所属し、後進の指導に あたるとともに、一般愛好者への教室指導も行い競技の普及活動に努めている。
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