選手インタビュー

森田淳悟さん 中田久美さん 森田淳悟さん バレーボール 1968年メキシコシティ 1972年 ミュンヘン 中田久美さん バレーボール 1984年ロサンゼルス 1988年ソウル 1992年バルセロナ

メキシコシティー大会銀メダリストであり、ミュンヘン大会金メダリストの森田淳悟、そしてロサンゼルス大会銅メダリストの中田久美。日本男子バレーの全盛期を支えた森田と、15歳で全日本入りし、セッターとしてチームを牽引した中田が、オリンピックの思い出や、現在の全日本チームに対する思いを語った。

【世界バレーの注目点と全日本への期待】

広報スタッフ:10月31日から、日本で2006バレーボール世界選手権(2006世界バレー男子/女子)が開催されます。中田さんもテレビ番組でいろいろPRされていますけれども、全日本チームへの期待や、注目される選手がいれば教えていただけますか。

中田:まず、男子はどうですか。

森田:もう強化部長から退いて3年以上経ってしまったから、世界の動向について詳細はわからないけれど、関係者の話を聞くと、イタリア選手で2メートル4センチのアレッサンドロ・フェイというエースが凄いみたいだね。つい3年前はエースではなかった選手なんだよ。

中田:そういう選手が外国には多いですね。

森田:多いよね、いつの間にか出てきていつの間にかエースになっちゃう。それからもう1人、アンドレ・ナシメントってブラジルの選手は、日本人に参考になる選手だね。世界の選手がどういうプレーを見せてくれるか期待してます。

中田:フェイは私もビデオで見させていただきましたけど、すごいですね!

森田:すごいね。到達点が3m52cm~53cmということは、バスケットリングの上の黒い四角の上が3メートル55cmくらいだから、あそこまで届くってこと(笑)。

中田:へぇ…男子は、ブラジルにしてもイタリアにしても、今はスーパーエースと言われる選手ってあまりいないですよね。山本貴弘くんが以前に1度獲得した、ベストスパイカー賞を取るような選手がいるワンマンチームは順位が結構低い。だから、ベストスパイカーじゃなくて、決定率ランキングで10位くらいまでにたくさん入ってるのがやっぱりブラジルやイタリアだったりして、そういう満遍なく攻撃できるチームが今の男子は強いのかなって思います。

森田:そうね、ルールが変わって本当に1本1本が大事になってきた。変わった当初はやっぱり、エース、エースに持っていった戦略が多かったけど、またいろんなコンビネーションを使うようになってきたから、いろんなところから打てる選手が多いチームが強くなってるね。

中田:そういった意味では、植田辰哉・全日本男子監督もいろいろと考えてらっしゃるみたいで。

森田:僕は日本では、久しぶりにカムバックしてきた山本貴弘に期待したいね。

中田:前回の世界選手権は出場してたんですものね。

森田:出てたね。今度のチームの中に入って、どうチームのために働いてくれるか。それからもう1人、新入りでは、石島雄介っていう…

中田:ゴッツ(石島選手の愛称)ですか(笑)。ああいう、喜怒哀楽をすごく表に出す選手っていうのは、日本のチームではなかなか珍しいですよね。

森田:そうだね。彼を見てると、練習の中でも一つひとつ全力でプレーしてる。今までにない日本人のタイプじゃないのかな。

中田:身長が195cmくらいで100kgですよね? 私、ゴッツにトス上げさせてもらったんですけど、岩が跳んでくるような(笑)。すごいパワーを感じましたね。

森田:スパイクの音が違うよな(笑)。踏み込みの音も違う。

中田:そうですね。男子は楽しみですね。

森田:楽しみだね。女子も楽しみじゃないの?

中田:女子はですね…もう形になってないといけないですよね? オリンピックに向けて、強いチームって常にいろんな大会でベスト5までには入ってきてますよね。柳本晶一・全日本女子監督率いる「柳本ジャパン」は5位以下はないんですけど、そこからどう順位を上げていくかというところで、私は勝負の年になるのが10月に開幕する世界バレーではないかと思うんですよ、オリンピックのメダルを取るためには。ある程度の結果を出していくという意味では…戦力的には栗原恵が間に合うのかどうかっていうのが心配なんです。大山加奈はいいみたいなんですけど。

森田:それは、昔我々がやってた頃にも監督だった松平康隆さんがよく言ってたよね。金メダルを狙うチームが8位とか10位じゃダメだと。常に悪くても5位以内にいないと世界は狙えないって言ってたね。

中田:そうですよね。またオリンピックっていう特別な舞台では、どこのチームも、全然違うチームになって出てきますよね! 本当に確実な力を持っていないと、特にオリンピックみたいな大会ではメダルを取るのは非常に難しいので、オリンピックの2年前に開催される大きな大会で、全日本のはっきりとした形というものができ上がっているかを期待して見たいなと。今回は初めて全日本に選ばれた選手も多いので、そういう選手たちを柳本さんがどう使っていかれるのかっていうのも非常に興味がありますね。いくら跳躍力があったり運動神経が良くても、実際の試合の中でそれがどう生かされるかというのは別問題だと思うんですよ。監督さんっていうのは、その辺を見極めるのは難しいところなんじゃないかなと思うんですね。世界で戦えるかとか勝負強さを分析し、そういうものも持っている選手を起用しなければいけないと思うし。

森田:でも僕は、そういう面で女子は素材的に、男子と比べるとすごく素質あるのが多いと思う。次から次へと出てくるでしょ、羨ましいと思うよね。男子では石島、それから越川優あたりかな。逆に、36歳の荻野正二が頑張ってるよ。今の全日本男子は、荻野がいなかったらチームにならない。いろんな面で、プレーもまだしっかりできるし、精神面もきちっとしてるし。

中田:非常に真面目な選手ですね、彼は。それで人一倍、努力をする選手なので、やっぱり若い選手にはいいお手本になりますよね。

森田:そうだよね。ベテランっていうのは年齢で呼ばれるけども、36歳、37歳っていう本当のベテランになると練習でもセーブしちゃう。彼の場合は、逆に落とさないように若手と一緒に取り組んで、同じようにメニューをこなしてるよね。

中田:でもいいですよね、世界選手権が日本で開催されるのは2回目ですよね。私たちの時はなかったんですよ、世界選手権を日本でやったことは。森田さん、現役の時はありました?

森田:選手の時?なかったなぁ。

中田:ですよね。だからホームでできる選手たちはすごく幸せだなと思います。でも、ほかのチームは各大陸の予選を勝ち抜いてきた国ばかりですからね、非常にレベルは高いと思います。どこのチームも、やはり北京を視野に入れての世界選手権だと思うんですよ。

森田:そう、オリンピックの前哨戦という形だね。

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